マダムサチコのカンボジアで農業
カンボジア生活19年目突入。ツアーガイド、日本語教師、アンコールクッキーの起業を経て、2017年から農業プロジェクトを立ち上げたマダムサチコの日記。 世界遺産アンコールワットから20分ほどの農村で40ヘクタールのオーガニックファームをスタートし、農業の6次化による100年つづく農業からの産業づくりを目指している。
人は生まれて死んでいくもの
以前の会社で働いてくれていたスタッフの訃報。
1年くらい前に発病して、一度は元気になって職場復帰をしたけれどこの半年くらいまた闘病生活に入り、昨日この世を去った。
彼女の訃報の連絡をもらってから、自分は何かもっと彼女に対してしてあげられたんじゃないか、もっと力を貸してあげることができたんじゃないか、って色々考えていた。
去年の私のお誕生日9月には、スタッフみんなでお祝いしてくれて、彼女もその時には退院してきていてパーティーで元気な顔を見せてくれた。ほかのスタッフがFBにその時の写真をアップしてくれていて、私も彼女の笑顔を残しておきたくて夕べFBに写真をアップ。みんなが私のお誕生日だと勘違いしておめでとうと言われてしまってなんだか複雑な気持ちの夜。
たった数か月前、こんなに素敵な笑顔でみんなと笑っていたのに。41歳という若さでこの世から去っていったSUNNY。
みんなでケーキのクリーム付け合って笑いあったのがたった数か月前なのにね。
ほかのスタッフより少しお姉さんでしっかり者、寡黙だけど芯は強くて、工房でクッキー生地を作る仕込み担当としていつも真面目に仕事に取り組んでくれていた。
数年前の面談の時に、抱えている悩みを泣きながら話してくれた。30代後半の女性、いつも皆と楽しそうに仕事をしていても、女性として、家族の一員として、人間としてそれぞれ抱えているものがあって、それぞれ自分の人生に必死に向き合って生きていて、私はそんな彼女たちに少しでも役立つアドバイスをしてあげられていたのだろうかと、夕べ彼女を思い出しながら考えた。
今日は彼女の実家でのお葬式に行き、火葬まで参列させていただき、彼女の肉体がこの世から消えていく瞬間に立ち会いながら、誰かの人生に自分が何かしてあげられたのでは。。。なんて思うほうがエゴなのかもしれないなと思った。
人は産まれて死んでいく、今もこの一瞬にも世界中で多くの人が産まれて、多くの人が死んでいっている。でも社会は何も変わらずいつもと同じように動いている。
私が明日この世から消えても社会はいつもと同じように何も変わらず動いていく。そんなもの。
だからこそ、今というとき、この時に大切な人に大切だって伝えて、今やりたいことを思いっきりやって、今この瞬間瞬間を楽しんで生きたい。誰かに何かをしてあげる力はないけれど、自分が自分の人生を楽しんでハッピーに生きる。大切な人たちを大切にする。今伝えておきたいことはちゃんと伝えておく。会いたいときに会いたい人に会う。やりたいことをやりたいときにやる。後回しにしないで大切にする。
今しかないんだなってSUNNYがいなくなって改めて教えてもらった。ありがとう。大切なSUNNYの人生に一瞬でもそばにいられたことを幸せに思います。あなたの死で感じた気持ちを忘れない。私はいま自分がやりたいと思っている道をしっかりと進んでいきます。
ありがとう。