マダムサチコのカンボジアで農業

カンボジア生活19年目突入。ツアーガイド、日本語教師、アンコールクッキーの起業を経て、2017年から農業プロジェクトを立ち上げたマダムサチコの日記。 世界遺産アンコールワットから20分ほどの農村で40ヘクタールのオーガニックファームをスタートし、農業の6次化による100年つづく農業からの産業づくりを目指している。

カテゴリ: SvayChekFarm

12月に収穫したパイナップル。

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ずーっとお店にディスプレイしていたのですが、すっかりシワシワの老夫婦に。
腐ることなく、水分がなくなってしぼんでいっているという感じです。

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こちらが3か月前の若かりし頃、ぶいぶいいわせていた時代の彼ら。
畑から収穫したばかり、お肌もつやつやピチピチしています。


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すっかり身体は小さくなりましたが、髪の毛だけは(葉っぱだけは)青々ふさふさ、若いときよりも立派です。

野菜や果物は上へ上へと葉っぱを広げていこうとするDNAを持っているんですね。
消費者側からすると、葉っぱつきのニンジンや大根っていかにも新鮮っぽくて魅力です。
でも野菜の持っている特性で葉っぱに栄養や水分がいってしまい、肝心の実がしぼんでいってしまうのです。
食べる部分の実がしぼんでしまっては売る側からしたら困ります。
ですから葉っぱはすぐにおとす、が鉄則になるわけです。

果物とか野菜を見ていると本当におもしろい。
微生物のバランスが調っている土壌で育った野菜や果物は腐りにくいんだなぁと思います。

無農薬、無化学肥料の農業は、食べる人の安心安全とういキーワードが取りだたされることが多いですが、本当に大切なところって、次の世代にこの土壌を残せるかってところなのかなと私は思います。
もちろん人の健康にとっても大切だと思いますが。(ただ農薬についていえば、農薬を使った野菜を食べる人よりも、その農薬を散布している農家の人たちの健康被害のほうが甚大であることは間違いない。)

農薬をまいて化学肥料をふんだんに使い、ホルモン剤で成長を促進させ収穫量を増やすことがこの資本主義経済の中で必要な農業でした。そういうった土壌では微生物は生きていくことができなくなり、生態系は崩れ、その土地では農業ができなくなっていき、次の土地へと移動します。

本来、環境を壊さなければ行えない農業という事業の中で、無農薬・無化学肥料の農業というのは、農薬や化学肥料を使った農業よりも環境破壊が少なく、自然界と共生しながら生態系を壊さないサステナブルなものなのだと思います。

自然農法といわれるものでも、そこに自然に生えていなかった野菜の種を人間がまくという時点で自然ではないのですから。

環境を破壊しなくては人間が生きていくことはできないけれど、最小限にとどめられるような努力はできるのかなぁと考えたりします。

何が大切か、ひとりひとりの生き方ですね。
いま自分が生きている数十年がよければいいということではなく、自分たちの子供、孫世代へ何を残していくのかを考えて生きていきたいと思います。






SvayChek Organic Farmは広さ40ヘクタールの広大な敷地にバラエティー豊かなお野菜や果物を栽培しています。

どんなものを育てているんですか?というご質問をよくいただきます。とにかくファームに来てみて!と言いたいのですが、カンボジアから遠いところにいる方も多いのでちょっとご紹介。


ファームの敷地の多くを占めているのが果物です。

まずはパイナップル。現在約20,000本。

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パイナップルは苗木から収穫までになんと18か月~20か月の歳月がかかります。
たったひとつの実をいただくために1年半以上かかるのです。

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カンボジアの気候では1年中収穫が可能なため、SvayChek Organic Farmでは、毎月約1,000本の苗木を植え付けし、1年中収穫ができるようなサイクルを作っています。


パイナップルは水が命。乾季の11月~5月、まったく雨が降らない半年間のために畑には散水ができるようにホースがはりめぐされています。


お次は、SvayChek Organic Farmの名前ににもついている、マンゴー(カンボジア語でSvay スヴァイ)
マンゴーの木は約3000本あります。

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マンゴーは苗木から収穫できるようになるまで4年間かかります。
そして1年に一度しか収穫できません。

SvayChekファームでは2014年7月に苗木を植えたので、昨年2018年の4月にはじめてのマンゴーを収穫しました。
今年は5年目、木も年々幹をしっかりさせてきていて大きくなってきていますので、去年の倍くらいの収穫を見込んでいます。
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マンゴーの木は水がなくても生きていけるとても強い木です。
乾季の雨の降らない時期に水やりは必要ありません。水分をとるために乾季の間はひたすら根を下へ下へと強く張っていきます。土台をしっかりと作り上げた木は、雨季の恵みの雨が降り出すと一気に体を大きくさせ逞しくなっていきます。
いつもこの木を眺めていると自然の力の強さと美しさに圧巻されます。


こちらもファームの名前についているバナナ(カンボジア語でChek チェイク)

SvayChek Organic Farmは、日本語にするとマンゴーバナナ オーガニックファーム。


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バナナもパイナップル同様に水が命です。

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SvayChekファームでは最初の一年目、バナナの木が育たずにとても苦労しました。

小さなバナナの樹を上から眺めながら、いつか大きなバナナの樹のアーチの下を歩きたいと夢見ていました。今は自分の背丈を大きく超えるバナナの樹を仰ぎ見ながらバナナのアーチを歩いています。ひとつひとつ夢が形になっています。

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現在バナナの樹は3000本~4000本。バナナはひとつの房を収穫したらその樹は収穫は終わりです。すぐに切り倒して、脇から生えてきている子株を育てていきます。



最後はライムです。

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SvayChek Organic Farmのライムは種がなく実が大きくとってもジューシーです。
ライムの樹の成長には窒素が必要なので、鶏と一緒に育てています。鶏糞には窒素が多く含まれているそうです。

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ファームには200羽ほどの鶏がいて、もちろん平飼いで育てています。オーガニック栽培のたい肥づくりのための鶏糞をニワトリさんからいただいているのです。

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鶏おじさんと鶏たち。
毎日おじさん手づくりのオーガニックフードを食べて育っています。


農業を始める前は気づかなかったこと、知らなかったことを今は知るようになり、関心を持つようになり、自分の興味の幅が広がりました。

たとえば、農業をやっているというと「自然ですばらしいね」と言われたり、「オーガニックはエコロジーでいいね」と言われることに「??」と思うようになりました。

農業とひとくちに言ってもいろいろな形があります。今は工場のような場所で太陽光を使わずに電気の光で野菜を栽培できるようになりそれも農業です。これは自然?
そもそも、たとえ屋外で野菜を育てたとしても、そこに生えていなかった種を外から持ってきて新しい植物を植えることはまったくもって自然ではないよね?とか。考えたり。

オーガニック野菜なのにプラスティックパックを使ったらエコじゃない!!という意見もあったり。そもそもオーガニック=エコロジーなのか?と考えたり。

つまりは、正解はひとつではないんだ!って私は思う。
人それぞれ、それぞれの正論、それぞれの正義、それぞれの価値観を持って生きているのだから正解がひとつになるわけがない。

そんな中で自分はどうしたいのか、自分はどう生きるのかが大切なのかなと思っています。

風の音と葉っぱが揺れる音しか聞こえないバナナの樹のアーチの下で日々そんなことを考えている毎日がとても楽しいです。






最近ファームの新人スタッフさんに直接研修をしています。

2003年にアンコールクッキーを始めたとき、コンポンチャムの田舎からでてきたカンボジア人の女の子2人をスタッフとして雇って、お掃除の仕方、道具の管理の仕方、作業台の拭き方からクッキーの作り方までひたすら時間をかけて教えていた頃を思い出します。

あれから16年、また一番最初に戻って同じことを繰り返しているって。。。私は成長がないのか?!と思ったりもしますが、ただ単に好きなんだなぁと改めて実感します。

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何かを創造して、新しいことをスタートさせていくことが何よりも楽しい。だから16年前にやっていたことをまたやっている。単に好きだから。単純な理由。

そうはいっても、今まで生まれ育った村の中で家の手伝いや農作業しか経験のない女の子が、いきなり外国人と働くってすごくハードルが高いことだろうなぁと思う。
もし自分が逆の立場だったら。。。。緊張とプレッシャーとどきどきな毎日だろうな。
まったくやったことがない仕事で、そのうえ、外国人のヘタなカンボジア語を聞き取ってその仕事を理解しなくてはいけない毎日。逃げ出したくなることだってあるよね~、きっと。

そう考えると、クッキーのみんなに改めて感謝の気持ちを感じるし、ファームのスタッフさんに対しても「あぁ、今日も元気に出勤してきてくれてよかった」という気持ちになる。


初めはとにかく私がやって見せる、次に一緒にやる、そして一人でやらせてみる、そしてできていないところをもう一度いっしょにやる、そんなこと繰り返しです。



カンボジアの人たちの素晴らしいところは素直に話を聞いてくれるところ。
これはこの様にやってね、って言えば実直にその通りに実践してくれる。そして小さい頃から家のお手伝いをしているからでしょうか、手先が器用な人がとても多いです。

残念なところは、臨機応変にっていうのがなかなか難しい。「じゃぁ、次は自分で考えてやってみて」というと途端に眉間にしわを寄せて動かなくなる(笑)

でもそういう人が数年後にものすごい成長をするという大きなサプライズが待ってたりする。
彼らの大きな成長をそばで見せてもらえるというのは私にとって何よりものご褒美。仕事をしていて一番嬉しいこと。やる気のある人は成長していく、そしてその成長が本人の自信と誇りになる。

そんな現場に毎日いられることが何よりの生きがいです。








SvayChekOrganicFarmのファームツアーをご紹介します!!

ツアーは午前8時30分〜10時30分までの2時間
毎日催行しています。
(事前予約が必要です。ファームのホームページからお申し込みください)



ファームはシェムリアップ市内から約20km、途中からは舗装されていない赤土の道になりますので、車で40分、トゥクトゥクでは約50分〜1時間ほどかかります。

まずは朝8時過ぎにSvayChek 村にあるファームに各自集合です。

ファームの入り口にあるツリーテラスでガイドがWelcome! 

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8時半のツアースタートまでは、ハンモックにゆられたり写真を撮ったりしてお待ちいただきます。

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ファームの面積は40ヘクタール。その中に野菜畑、マンゴー畑、パイナップル畑、バナナ畑、ライム畑、サトウキビ畑などがあり、たくさんの野菜や果物が栽培されています。

広大な敷地にはまだ開墾していない自然そのままの森も残っています。

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冷んやりとした空気の森の中をガイドの説明を受けながらお散歩です。

森を抜けると、カンボジアの伝統的な高床式のおうちが見えてきます。


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高床式のおうちでファームMAPを見ながら、ガイドさんからファームの成り立ちやファームの概要の説明があります。

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こちらがSvayChekOrganicFarmのツアーマップです
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説明が終わったらトラクターに乗って出発です!!!

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トラクタートレイラーの上に乗ると、歩いて見えた風景とはまったく違う景色が広がり、一気にみんなのテンションがあがります♪

まずは野菜畑に向かいます。
常時、数十種類のお野菜が無農薬、無化学肥料で栽培されています。


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カンボジアの子も町育ちだとお野菜がどんな風に畑でできるのか、野菜の全体像を見たことがない子が多いので興味津々😊

野菜収穫体験の後はライム畑を眺めながら、パイナップル🍍の収穫に向かいます。

パイナップルがこんな風になってるなんて知らなかった〜!とみんな大興奮!


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わたしたちのファームのパイナップルは、木の上でしっかりと完熟させているので、畑にはあま〜い香りが漂っています。

葉っぱがギザギザしているので手で持つときはじゅうぶん注意してくださいね。

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青空とかわいいカンボジアガールたち❤️
パイナップル🍍が似合いますね〜😍


お次はバナナ畑に移動🍌


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バナナの木のアーチの中を歩き、

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たわわに実るバナナをカンボジア流に鉈でばっさりと収穫します。

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最後はまた高床式のお家に戻って、お待ちかねの時間!収穫したお野菜や果物の試食タイムです〜🍍 🍌 🥭 🍅 🥒

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パイナップル🍍の皮を剥くのは意外と難しいのです。村のお母さんが切り方を見せてくれます。ぜひトライしてみて!

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最後はフリータイム。

大自然のなかで鳥の声や風の音、葉っぱが転がる音を感じてみてください。


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ツアー中にはファームで採れたマンゴー🥭とパイナップル🍍100%のスムージーもお楽しみいただけます。
お砂糖を入れず、果物の甘さだけで充分あまくておいしいスムージー。
ぜひ本物のおいしさをご堪能ください😉

みなさんのお越しをお待ちしています!



日が沈んで1時間もすれば、ファームには真っ暗闇の世界がやってくる。


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まだ夜7時、シェムリアップでは夜の始まりの時間。ファームはもう夜中。
深〜い深〜い暗闇の世界。

ついさっきまで、こんな素敵な夕陽を眺めていたのに。

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日が沈めば電気のないこの村は真っ暗な闇に包まれます。



そういえば、シェムリアップに来た頃は6号線に街灯もなくて夜7時を過ぎればオールドマーケットエリア以外は静まり返ってたな。

あっという間にネオンきらきらの世界になったけど、SvayChek 村にもネオンきらめく夜がやってくるのかな。

しばらくは灯りひとつ見えない、この闇黒の夜を楽しみたい。



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